医療・健康

プレゼンティーズムの日々の変動を可視化し、日次評価の有用性を実証

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(Image by Rawpixel.com/Shutterstock)
 労働者のプレゼンティーズムを日次評価した結果と過去4週間を振り返るWHOの質問票(WHO-HPQ)による評価結果を比較しました。日次得点の個人平均はWHO-HPQ得点と強く関連する一方、プレゼンティーズムは同じ人の中でも日々大きく変動しており、日次評価の有用性が示されました。

 プレゼンティーズムは、出勤しているにもかかわらず、健康上の問題などにより本来の仕事のパフォーマンスを十分に発揮できていない状態を指します。労働者の健康だけでなく職場の生産性にも関わる重要な課題です。一般には、世界保健機関(WHO)の健康と労働パフォーマンスに関する質問票(WHO-HPQ)を用いて、過去数週間の仕事の状態を振り返って評価します。しかし、睡眠、気分、食事、身体活動、飲酒、その日の体調や業務状況などは日々変化するため、回顧的な評価だけでは短期的な揺らぎを十分に捉えられない可能性があります。そこで、スマートフォンを通じてその日の状態を繰り返し測定する経験サンプリング法を用いた日次評価が注目されています。

 本研究では、1社に勤務する20歳以上のフルタイム・日勤のホワイトカラー労働者94人を対象に、2025年6月30日から7月25日までの平日19日間、スマートフォンでその日の仕事のパフォーマンスを評価してもらいました。欠損のあった1人を除く93人について、0~100%の生産性損失を示す日次プレゼンティーズム得点を算出し、調査終了後に回答を得た過去4週間のWHO-HPQから算出した得点(修正版WHO-HPQ得点、こちらも0~100%の生産性損失を示す)と比較しました。

 修正版WHO-HPQ得点は平均29.9±12.5%、日次プレゼンティーズム得点は平均28.9±10.6%で、参加者ごとの日次平均とWHO-HPQ得点には強い相関が認められました。また、日次得点は、平均値に対して日ごとのばらつきが大きいことが示されました。全変動の6割弱は同じ人の中で生じる日ごとの変化に由来することも分かりました。

 本研究成果は、プレゼンティーズムを一定期間の平均的な状態としてだけでなく、日ごとに変動する状態として捉える必要性を示しています。数週間の平均的な生産性を把握する回顧的評価と、生活習慣や職場環境の短期的な影響を捉える日次評価を、研究目的に応じて使い分けることが重要です。

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プレスリリース

研究代表者

筑波大学医学医療系/健幸ライフスタイル開発研究センター
吉本 尚 准教授

筑波大学体育系/健幸ライフスタイル開発研究センター
土橋 祥平 特任助教

筑波大学健幸ライフスタイル開発研究センター
朴峠 周子 研究員

掲載論文

【題名】
Daily presenteeism fluctuates substantially among Japanese workers while converging with retrospective WHO-HPQ scores
(日本人労働者の日次プレゼンティーズムは大きく変動する一方、回顧的WHO-HPQ得点と整合する)
【掲載誌】
Journal of Occupational Health
【DOI】
10.1093/joccuh/uiag041

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