医療・健康

運動前のカフェイン摂取によるパフォーマンス向上効果は3.5時間持続する

研究イメージ画像
(Image by Friends Stock/Shutterstock)
 運動前のカフェイン摂取が、自転車の繰り返しスプリントのパフォーマンスを向上させ、その効果は少なくとも3.5時間持続することが明らかになりました。この結果は、長時間にわたる競技種目や試合形式において、一度のカフェイン摂取で競技中のパフォーマンス向上が維持される可能性を示しています。

 カフェインは運動パフォーマンスを向上させる代表的な成分として広く利用されています。しかし、運動前に摂取したカフェインの効果が、長時間にわたる競技中にどの程度持続するのか、またその際にどのような生理応答が生じるのかは十分に明らかになっていませんでした。

 本研究では、健常な若年男女12人を対象に、運動開始60分前に体重1kgあたり5.5mgのカフェインまたはプラセボを摂取し、その後3.5時間にわたって断続的に実施した繰り返しスプリント運動(短距離自転車走)のパフォーマンスと生理応答を比較しました。生理応答としては、血中カフェイン濃度およびノルアドレナリン濃度、呼吸・循環応答、脳血流、主観的運動強度などを測定しました。

 その結果、カフェインを摂取した群では、繰り返しスプリントの平均および最大パワーが向上し、その効果は摂取後少なくとも3.5時間持続しました。また、スプリント終了時の血中ノルアドレナリン濃度は高値を示し、運動のきつさや脚の筋の痛みが軽減されました。さらに、脳血流の指標である中大脳動脈血流速度が低下し、呼吸および循環応答にも変化が認められました。

 以上の結果は、運動前に摂取したカフェインの効果が長時間持続することを示しており、高強度運動を繰り返すチームスポーツやトーナメント形式など競技が長時間にわたる場合のカフェイン活用法の科学的根拠となると期待されます。

PDF資料

プレスリリース

研究代表者

筑波大学体育系
藤井 直人 准教授
西川 瑞希 体育科学学位プログラム(博士後期課程)

掲載論文

【題名】
Pre-exercise caffeine enhances repeated sprint performance and alters physiological and perceptual responses with effects lasting up to 3.5 h
(運動前のカフェイン摂取は反復スプリントパフォーマンスを向上、生理学的・知覚的応答を変化させ、その効果は最大3.5時間持続する)
【掲載誌】
Medicine & Science in Sports & Exercise
【DOI】
10.1249/MSS.0000000000004129

関連リンク

体育系
体育科学学位プログラム