医療・健康
女性ランナーは走行距離に応じてエネルギー消費の配分を無意識に調整する
女性ランナーにおいて、走行距離が長いほど運動によるエネルギー消費量は多い一方、生活活動と安静時のエネルギー消費量を減らすことで、1日の総エネルギー消費量を一定の範囲に保っている可能性を示しました。トレーニング量に応じて無意識にエネルギー配分を調整していると考えられます。
一般に、たくさん運動をするほどエネルギー消費量も増加すると考えられますが、近年、運動で使うエネルギーが増えても、生活活動や生理機能のエネルギーを減らして、1日の総エネルギー消費量を一定に保つように調整するメカニズムが提唱されています。しかしながら、このような調整が、長い間トレーニングを続けているアスリートでも起こるのかはよく分かっていません。特に、女性ランナーでは無月経がみられることがありますが、月経の有無によりエネルギーの使われ方に違いがあるのか、明らかではありませんでした。
そこで本研究では、女性ランナーを対象に、1日の総エネルギー消費量とその使われ方について、無月経のランナーと月経のあるランナーを比べるとともに、毎日のトレーニングによる走行距離との関係も調べました。
その結果、総エネルギー消費量とその配分は、月経の有無によらず同程度を示しました。さらに、走行距離が長いほど運動によるエネルギーは多いものの、総エネルギー消費量は走行距離とは関連がないことが分かりました。また、走行距離が長いほど、生活活動のエネルギー消費量や生理機能に費やすエネルギー(安静時代謝や睡眠時代謝)も低い傾向が見られました。以上のことから、長期間トレーニングを続けている女性ランナーでは、走行距離(トレーニング量)に応じて、1日に使うエネルギーの使い道を無意識下で調整している可能性があり、これは月経の有無によらないかもしれません。
PDF資料
プレスリリース研究代表者
筑波大学体育系下山 寛之 助教
国立スポーツ科学センター(日本学術振興会特別研究員)
内沢 彰子 研究員
掲載論文
- 【題名】
- Running Distance Is Associated With Components of Total Energy Expenditure in Amenorrhoeic and Non-Amenorrhoeic Endurance Runners
(無月経および非無月経の持久性ランナーにおいて、走行距離は総エネルギー消費量の構成と関連する) - 【掲載誌】
- Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports
- 【DOI】
- 10.1111/sms.70362
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