医療・健康
在宅医療では「薬の多さ」と「処方の複雑さ」が医師の診療負担に関連する
在宅医療患者を対象に、薬剤数および処方の複雑性と、医師が感じる診療上の負担との関連を調べました。10剤以上の過剰な多剤併用や処方内容が特に複雑な患者を担当する医師の負担感が大きいことが判明しました。薬剤数に加え、処方の複雑さにも着目して薬物療法を適正化する重要性が示唆されました。
在宅医療を受ける患者は高齢で複数の慢性疾患を抱えていることが多く、多くの薬を服用する「多剤併用(ポリファーマシー)」がしばしばみられます。また、薬の数だけでなく、1日に何回服用するか、どのような剤形を使用するか、特別な服用方法が必要かなど、薬の使い方そのものが複雑になっている場合があります。多剤併用や複雑な処方は、患者の服薬負担や服薬間違いなどにつながることが知られています。一方で、このような処方が、在宅医療を担当する医師自身の診療上の負担とどのように関連しているかは、これまで十分に分かっていませんでした。
そこで本研究では、東京都および茨城県の7医療機関で在宅医療を受ける患者503人を対象に、薬剤数および処方の複雑性と、担当医師が感じる診療上の負担との関連を検討しました。その結果、10剤以上の「過剰な多剤併用」の患者や、服用回数・剤形・服用方法などを含めた処方が特に複雑な患者では、患者の年齢や併存疾患、診療時間などを考慮した後も、医師の負担感が有意に高いことが明らかになりました。
本研究から、在宅医療においては薬の数だけでなく、処方全体を分かりやすく整理・簡素化することが重要であり、医師と薬剤師などの多職種が連携して薬物療法を適正化することが、患者にとって安全で適切な治療を維持しながら、在宅医療を担う医師の負担を軽減することにつながる可能性が示唆されました。
PDF資料
プレスリリース研究代表者
筑波大学医学医療系舛本 祥一 講師
掲載論文
- 【題名】
-
Excessive Polypharmacy and Complicated Medication Regimen are associated with Physicians' Perceived Burden in Home Healthcare: A Multicenter Cross-Sectional Study
(在宅医療における過剰な多剤併用および複雑な薬物療法と医師の負担感との関連:多施設横断研究) - 【掲載誌】
- Family Practice
- 【DOI】
- 10.1093/fampra/cmag079
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