社会・文化
人は信頼できない情報に判断を左右されるがその影響には気づける
判断の根拠となる情報源の信頼度が数字で明示されていても、人はその信頼度を必ずしも適切に判断に反映できないことを明らかにしました。一方で、人は自分が信頼度の低い情報に影響されていることを、ある程度自覚していることも分かりました。
私たちは、SNSやニュース、口コミなど、信頼性の異なる多くの情報をもとに日々、さまざまな判断をしています。近年、インターネット上では、口コミの評価やファクトチェックなど、情報がどの程度信頼できるかを示す仕組みが広がっていますが、情報の信頼度を数字で示されれば、その情報を適切に使えるのでしょうか。
本研究では、情報源ごとに「正しい情報を示す確率」を数字で示し、複数の情報源から得た情報を組み合わせて判断する実験を行いました。その結果、参加者は信頼度の高い情報ほど重視していたものの、示された信頼度をそのまま判断には反映していませんでした。特に、「正しい確率が50%」と明示された、本来は判断の手掛かりにならない情報であっても、その内容に沿った選択をしやすくなりました。
さらに、別の実験では、それぞれの情報が自分の判断にどの程度影響したと思うかを参加者に報告してもらいました。その結果、参加者は、信頼できない情報に自分の判断が影響されていたことを、ある程度正しく認識していました。つまり、人は信頼できない情報の影響を受けながらも、その影響そのものはある程度把握できることが分かりました。
本研究は、情報の信頼性を明示するだけでなく、人がその情報をどのように判断に取り込むのかを理解することの重要性を示しています。
PDF資料
プレスリリース研究代表者
筑波大学体育系太田 啓示 助教
掲載論文
- 【題名】
-
How does explicit reliability guide choices? Effect of trustworthiness on choice and metacognition
(明示された信頼度は選択をどう導くのか?―情報源の信頼性が選択とメタ認知に及ぼす影響) - 【掲載誌】
- PLoS Computational Biology
- 【DOI】
- 10.1371/journal.pcbi.1014818