社会・文化
PCゲームの国際価格は市場に応じて企業ごとに調整・設定されている
デジタルプラットフォームでの商品販売では、同じ商品でも各国の購買力などに応じた価格設定が可能です。今回、世界的なPCゲーム配信プラットフォームで扱われるデジタル商品の価格を分析し、販売元企業が設定する市場ごとの販売価格には、4つの特徴的なパターンがあることを明らかにしました。
デジタルプラットフォームでは、同じ商品を世界各地で販売できますが、国によって購買力や通貨、税制などが異なるため、地域ごとに価格を変えることがあります。一方、オンラインでは各国の価格を簡単に比較できるため、現地の購買力に合わせながら、地域間の価格差を大きくし過ぎないことも重要です。
本研究では、世界的なPCゲーム配信プラットフォーム「Steam」で2023年8~9月に収集した価格データを用い、ブラジル、中国、フランス、英国、インド、日本、韓国、米国の8市場について、実際の販売価格がSteamの推奨価格に対してどのように設定されているかを調べました。
その結果、パブリッシャー(販売元)の価格設定は、プラットフォーム運営会社が提示する推奨価格にほぼ沿う型、小幅に調整する型、新興市場で高めに設定する型、国やタイトルによる価格のばらつきが大きい型、の4つに分類されました。特にブラジルとインドでは、実際の価格は推奨価格に対してそれぞれ平均約128%、約130%と高く、価格のばらつきも大きいことが分かりました。さらに、世界的に規模の大きいゲーム企業と系列・関連のあるパブリッシャーは、価格のばらつきが大きいグループに多く含まれていました。
これらの結果は、国際的な価格設定が、世界で一律に決めるか、地域ごとに完全に別々に決めるかという二者択一ではなく、共通の価格基準を使いながら、各地域の事情に応じて調整する複数のパターンとして行われていることを示しています。
PDF資料
プレスリリース研究代表者
筑波大学ビジネスサイエンス系吉田 光男 准教授
村上 智洋 経営学学位プログラム(博士後期課程)2年次
掲載論文
- 【題名】
-
Strategic Patterns of Cross-Border Platform-Mediated Pricing: Evidence from Global Game Distribution
(プラットフォームを介した越境価格設定の戦略的パターン:世界のゲーム配信データによる分析) - 【掲載誌】
- Journal of International Marketing
- 【DOI】
- 10.1177/1069031X261480691
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