STUDENTS

宇宙を身近な存在に

相沢 慧さん
写真:STEP提供


映画のアイアンマンシリーズが好き。ものづくりに理想的な環境が描かれているからだ。



相沢 慧さん

打ち上げ前日の機体組み立てに笑顔で臨む(写真:STEP提供)
打ち上げ前日の機体組み立てに笑顔で臨む(写真:STEP提供)

理工学群工学システム学類2年

筑波大学宇宙技術プロジェクト(STEP)代表



相沢さんが代表を務める学生団体「筑波大学宇宙技術プロジェクト」(STEP)は今年2月、茨城県沖80kmに浮かぶ作業船から小型ロケットを打ち上げる実験に成功した。

学生団体の洋上打ち上げ成功は国内初の快挙。計測機器の故障で正確な値は不明だが、ロケットは学生団体の日本記録(3160m)を上回る高度約4kmに達したとみられる。

「学生のロケット打ち上げ拠点として、洋上も選択肢になることが示せた。未来につながる結果だ」と相沢さんは笑顔を見せる。

射場の作業船を提供したのは茨城県の支援を受けた宇宙ベンチャー企業「アストロオーシャン」(東京)。同社は洋上の活用で、増大する小型ロケットの打ち上げ場所の確保を目指している。STEPに昨秋、協力要請があり、今回の打ち上げにつながった。

STEPは2006年、工学系の学生が集まって設立された。現在は理工系学生23人が参加し、ロケットや超小型衛星の設計や製作、ロケットと地上との通信システムの開発などに取り組む。活動資金は会費のほか、卒業メンバーからの寄付や茗渓会の支援などで賄っている。

相沢さんが宇宙に興味を持ったのは小学生の時。小惑星探査機「はやぶさ」の活躍に感動したのがきっかけだ。STEPで宇宙に関するものづくりがしたいと思ったことも、筑波大に進学した理由の一つだという。

STEPでは代表の他、機体の設計なども担当する。打ち上げたロケットは全長2・85mで、STEPとしては最大級だった。

「地上での打ち上げなら、発射直前まで機体の整備ができるが、洋上打ち上げでは機体を船に載せるまでしか作業できない。打ち上げ時に機器が正常に作動するよう調整するのが難しかった」と振り返る。

計測機器などが故障したが、「洋上への第一歩としては上出来。改善点を見つけ、できるだけ早く学生の打ち上げ記録を正式に更新したい」と、あくまでも前向きに考えている。

代表として多くのメディアの取材を受ける中、学生ロケット団体の存在を広く知ってもらうことを心がけていた。広報役としての経験も、今後のものづくりに生きるはずだ。

宇宙をより身近な存在にすることを将来の夢に掲げる。「宇宙は手が届かない場所ではなく、私たちの生活圏の一部になる。自分も、そのための力となりたい」。

その実現に向け、相沢さんは着実に歩みを進めているようだ。



後輩にひとこと

夢や目標を持ってください。それが決まれば、叶えるためにどうすればよいのかが見えてきます。筑波大にはいろいろな目標を持つ学生がいて刺激になるし、先生たちの研究も多彩で、とても恵まれた環境です。

相沢 慧さん