テクノロジー・材料

湿度によって色が変わる新しい分子性多孔質結晶を開発

国立大学法人筑波大学数理物質系 山本洋平教授、山岸洋助教、所裕子教授らは、国立大学法人大阪大学大学院工学研究科 武田洋平准教授ら、国立大学法人九州大学先導物質化学研究所 アルブレヒト建准教授、国立大学法人東京大学大学院理学系研究科 大越慎一教授ら、公益財団法人高輝度光科学研究センター 池本夕佳主幹研究員、国立大学法人東京工業大学、株式会社リガク、マラガ大学(スペイン)との共同研究により、湿度変化に応じて大きな発色変化を示す分子性多孔質結晶を開発しました。


今回、本研究グループは、樹状のプロペラ部位をもつπ共役分子を新たに設計・合成し、これを溶液中で自己組織化させることにより、分子性多孔質結晶を作製しました。この結晶には大気中の水分を取り込んだり放出する性質があり、それに伴って結晶の色が変化することが明らかになりました。例えば、室温(25度)において、湿度40%以下では結晶は黄色ですが、50%に達すると完全に赤色に変化します。この発色変化は湿度変化に対して可逆的であり、また色変化が生じる湿度・温度が我々の生活環境に近いことから、高機能かつ電力不要な湿度センサーとしての応用が期待できます。




図 (a) 本研究で開発した多孔質結晶VPC-1を形成する分子1の構造。Cz:カルバゾール、DBPHZ:ジベンゾフェナジン。(b) 多孔質結晶VPC-1の模式図(左)、およびVPC-1粉末の吸湿(右上:VPC-1red)および脱湿(右下:VPC-1yellow)状態の写真。

PDF資料

プレスリリース
創基151年筑波大学開学50周年記念事業