テクノロジー・材料

物体に超音波ビームを従来の6倍の距離から照射し浮遊させることに成功

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(Image by alleachday/Shutterstock)
 微小な物体に、約40cmの距離から特殊な超音波ビームを片側から照射し、非接触かつ空中で安定に浮遊・搬送することに成功しました。ビーム中心の高音圧領域で物体を捕捉する方式を用いることにより、従来よりも約6倍離れた物体の浮遊を初めて実証しました。

 超音波などの音の力を用いて物体に触れずに空中へ浮かせる技術は、音響浮遊と呼ばれます。物体に接触しないため、壊れやすい試料や汚染を避けたい試料、危険な材料の操作などに適しています。しかし従来の音響浮遊の主流は、向かい合う音源や反射板の間に定在波を作って物体を挟み込む方式で、装置に囲われた空間の中でしか物体を扱うことができません。囲いのいらない片側照射の方式もありますが、物体を保持できるのは音源のすぐ近くに限られていました。

 このような制約は、浮遊の原理に由来します。従来の方式はいずれも、音圧がほぼゼロの静かな点を高い音圧で囲い込み、そこに物体を捕らえます。片側からの照射の場合、音源から離れるにつれて物体を保持する力が失われ、やがて押し出す向きに転じます。本研究ではこの片側照射方式において、中心軸に高い音圧が細く集中したまま遠くまで伝わるゼロ次ベッセルビームを用いることにより、音圧の高い領域で物体を捕らえることに成功しました。この方法により、片側からの照射だけで、音源から最大約40cm(従来の約6倍)離れた空中で直径1.5mmの発泡ポリスチレン球を安定に浮かせ、3次元的に動かすことができました。また、複数の物体や非球形物体の浮遊に加え、障害物の先でも浮遊できることを確かめました。

 この浮遊は理論的に予測されていましたが、今回初めて、空中で実証されました。囲いのない開かれた空間で離れた物体を非接触で扱えるため、実験の自動化や立体ディスプレイなどへの応用が期待されます。

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プレスリリース

研究代表者

筑波大学図書館情報メディア系
伏見 龍樹 助教
頃安 祐輔 情報学学位プログラム(博士後期課程)

掲載論文

【題名】
Midair Single-Sided Acoustic Levitation in High-Pressure Regions of Zero-Order Bessel Beams
(ゼロ次ベッセルビームの高圧領域における空中片側音響浮遊)
【掲載誌】
Physical Review Letters
【DOI】
10.1103/pfkh-4x7j

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