テクノロジー・材料
ジルコニアナノ粒子で「圧力の異方性」を検出
ジルコニアのナノ粒子の結晶構造が、周囲から均等に圧力を受けた場合には安定である一方、異方的な圧力を受けると変化することを明らかにしました。この性質は、これまで捉えることが難しかった圧力の異方性を検出・評価する新たな技術への応用が期待されます。
ジルコニアは、丈夫で熱や摩耗にも強いことから、工業製品や医療・歯科材料など幅広い分野で利用されているセラミックスです。ジルコニアにはいくつかの結晶構造があり、通常、室温では「単斜晶」が安定ですが、粒子をナノメートルサイズまで小さくすると、高温で現れる「正方晶」を室温でも保つことができます。
本研究では、この正方晶ジルコニアのナノ粒子に注目し、圧力のかかり方によって結晶構造がどのように変化するのかを調べました。その結果、あらゆる方向から均等に圧力をかける「静水圧」では正方晶がほとんど変化しないのに対し、方向によって異なる圧力をかけると、「単斜晶」という別の結晶構造へ変化することを確認しました。また、圧力の異方性が大きいほど、この変化が起こりやすくなることも明らかになりました。
この性質を利用すれば、ジルコニアの結晶構造の変化を調べることで、これまで測ることが難しかった「圧力の異方性」を検出・評価できる可能性があります。将来、高圧を利用する食品加工や医療、材料研究など、さまざまな分野への応用が期待されます。
PDF資料
プレスリリース研究代表者
筑波大学数理物質系所 裕子 教授
掲載論文
- 【題名】
-
Hydrostatic and Anisotropic Pressure Responses in Tetragonal Zirconia Nanoparticles
(正方晶ジルコニアナノ粒子の静水圧および異方的圧力に対する応答) - 【掲載誌】
- European Journal of Inorganic Chemistry
- 【DOI】
- 10.1002/ejic.70302
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