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芝原 暁彦さん(TSUKUCOMM Vol.63)

芝原 暁彦さん 写真

(地球科学可視化技術研究所 所長 芝原 暁彦さん)

化石とテクノロジーの合体が生み出す新しい可視化のカタチ

地球科学可視化技術研究所 所長
芝原 暁彦(しばはら あきひこ)さん

-これまでのキャリアや生活において、筑波大学でよかったと思うこと

 学生時代は、化石をデータとして扱う研究をやっていて、その後も産総研(産業技術総合研究所)で同様の研究を続けました。現在は、それを事業化して、化石と、その発掘場所の地形や地質などのデータを、精密な立体地図上にプロジェクションマッピングで可視化するシステムを開発・販売しています。筑波大での研究もベースにあるので、産総研発と筑波大発、両方のベンチャーとして承認されています。
 最近は、メタバース空間でバーチャルに化石発掘を体験するプログラムも開発しています。コロナ禍で、博物館などが閉じてしまったのがきっかけでしたが、普段の博物館では絶対にできない体験ができるし、そういう需要があることも分かりました。データさえあれば、極端な話、他の惑星でも可視化できますよ。
 筑波大では他の学群の授業も選べるので、地球科学の他に、もともと好きだった機械工学の授業をよく聞きに行きました。逆に、情報処理の学生が化石の実習に来たり。今、化石とテクノロジーの両方を扱えるのは、その頃の下地があったからだと思います。

-学生時代の一番の思い出

 大巡見というフィールドワークの授業があって、島根から福井まで、船や陸路で移動しながら、有名な地層をあちこち観察するんです。地球科学は時間と空間のスケールが、日常の感覚よりはるかに大きいので、そのスケール感を拡張させる体験ですね。大学院生の頃は、北極海の方へも調査に行きました。大学をベースキャンプに、冒険している感じでした。
 それから、SF研究会。いろんな学生が集まっていて、単にSFをみんなで読むのではなくて、例えば、いきなり牛久大仏に連れて行かれて、大仏とSFに登場するロボットの大きさを比べたりしました。これも、日常生活にはないスケール感を身に付けるということで。
 あとは自宅アパートで特撮映画を撮っていました。指人形みたいなものから始まって、そのうち、工作機械を使っていろんなミニチュアを自作するようになりました。これが、今やっていることの源流ですね。

-筑波大生に向けてのメッセージ

 筑波大の一番いいところは自由にいろんな学部の情報を横断的に捉えられることだと思うんです。そういう機会って、人生でいつでもあるわけではないので、在学生の皆さんには、ぜひこの環境を楽しんでほしいです。これから筑波大を目指す人たちも、ぜひ来ていただいて、楽しいことしましょう!

PODCAST

インタビューのロングバージョンを、筑波大学Podcastでお聴きいただけます。



PROFILE  しばはら あきひこ

芝原 暁彦さん 写真

福井県出身
2007年 生命環境科学研究科博士課程修了 地
球科学可視化技術研究所 所長

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