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平成29年度公益財団法人教科書研究センター大学院生の教科書研究論文助成
人文社会科学研究科 鈴木 偲歩

学生・大学院生

人文社会科学研究科博士前期課程1年の鈴木偲歩氏 (指導教員:人文社会系 卯城祐司教授) が,2017 (平成29) 年10月31日,平成29年度公益財団法人教科書研究センター大学院生の教科書研究論文助成に入選しました。

この制度では,教科書研究センターより,日本の教科書・副読本・教師用指導書・デジタル教材の質的向上と充実に向けて,教科書等に関する調査研究に対して助成金が交付されます。平成29年度は全国で計12件の申請書が採択されました。

今回助成の対象となったのは,「高等学校外国語教科書における課末課題(post-reading活動) の国際比較調査-技能統合型活動の普及に向けて-」と題する研究です。英語を第二言語あるいは外国語として学んでいる,比較的英語の熟達度が高いとされる国の教科書と日本の教科書について,特に課末課題に焦点を当てて比較し,日本の外国語教科書における強みや改善点を明らかにすることを研究目的としています。

現在の英語教育では、聞いたり読んだりして得た知識や自身の経験などに基づき,情報や考えについて「話し合う」「発表する」「まとまりのある文章を書く」といった表現力・発信力を伴うコミュニケーション活動が重視されてきています。その背景となる第二言語習得研究においても,意味を重視した活動において形式にも注意を向けるように指導することの有用性が主張されています。
しかし,未だに本文の内容理解や文法練習などが課末活動の大部分を占めており,上記で述べたような技能統合型の活動にまで発展しきれていないという問題が指摘されています。したがって,鈴木氏の研究では現行の教科書に記載された課末活動の使用割合とその内容を調査し,その結果を海外の教科書と比較することで,コミュニケーション活動を重視した教科書の作成および課末活動の活用に重要な示唆を与えることを目的としています。

この研究成果の詳細は,平成31年7月刊行の公益財団法人教科書研究センター『論文集』に掲載されます。

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