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財団法人日本英語検定協会第33回(2020年)英検研究助成研究部門入選
人文社会ビジネス科学学術院 小林 慎太郎

学生・大学院生

小林慎太郎さん(人文社会ビジネス科学学術院 人文社会科学研究群 人文学学位プログラム英語教育学サブプログラム博士前期課程1年、指導教員: 人文社会系 卯城祐司教授)は、財団法人日本英語検定協会第33回(2020年)英検研究助成研究部門に入選し、2020年(令和元年)7月7日に入選証書の贈呈を受けました。(今年はコロナウィルスの影響から助成金贈呈式は行われませんでした。)

この研究助成金制度は、実用英語の一層の普及・発展と英語能力検定試験の質的向上を目的に1987年に設けられました。英語能力テスト及び英語教育に関する研究企画を広く募集し、優秀な企画に対して助成金を交付し、10ヵ月間の研究後、その結果を公表する制度です。この制度には、研究、実践、調査の3つの部門があり、小林さんが入選した「研究部門」は、英語能力の測定・評価に関し、その改善向上や英語教育に役立つものを要求する部門です。

今回助成の対象となったのは「タスクにおけるやり取り能力の測定:コミュニケーションストラテジー『交渉の合図』『会話維持の反応』に焦点を当てて」と題する研究です。本研究の目的は、日本人英語学習者を対象に、熟達度の高い学習者の特徴である特定のコミュニケーションストラテジー(CS)を測定するタスク・文脈を明らかにし、話すこと(やり取り)のテストに示唆を与えることです。新学習指導要領では、スピーキング能力の中でも意見や気持ちを伝えあうこと(やり取り)が重視されています。しかしながら、英検のCan?doリストは発表能力が重視される一方、やり取りやCSの観点は少ないです。CSの測定は学習者の熟達度弁別に貢献する可能性があり、やり取りにおけるCS運用力の測定は意義があると考えられます。本研究は、新学習指導要領で重視されているやり取り能力測定の重要性や新たなスピーキングテストの形式に示唆を与えることが評価され、入選となりました。

2021年刊行の"STEP Bulletin" 第33号において、研究成果の詳細が掲載されます。

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