医療・健康

ゲーム感覚の二重課題運動は超高齢者の身体機能や認知機能を高める

研究イメージ画像 (Image by belushi/Shutterstock)

 日本は超高齢化社会となり、認知症有病率は先進国の中でも上位です。そのため、健常な認知機能を長く保持して「健康寿命」を延伸することが強く求められています。加齢に伴い、身体や認知機能が衰えていく上に、服用している様々な薬物の副作用のリスクも高いことが知られており、WHO(世界保健機関)も、薬物治療の代わりに、天然のサプリメントと運動を組み合わせることを推奨しています。


 本研究では、高齢者の身体機能と認知機能が相互に関係することから、二重課題運動に注目し、その有効性を検証しました。二重課題運動は、運動課題と認知課題の二つの課題を同時に行うトレーニング方法で、じゃんけんや簡単な計算など、ゲーム感覚で実施できる活動で構成されます。平均年齢89.9歳の超高齢者24人を対象に、二重課題運動を実践した群と非実施群(対照群)に分けて24週間(1回60分、週2回)にわたる前後の変化を比較し、その結果、二重課題運動を実施した群では、身体機能と認知機能の両方が著しく維持・改善されたことが分かりました。一方、運動を実施していなかった対照群は、全ての評価項目で負の結果を示しました。


 本研究成果より、ゲーム感覚の二重課題運動は超高齢者の身体や認知機能を健康的に維持できる方法の一つであることが示唆され、健康寿命の延伸への貢献が期待されます。


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プレスリリース

研究代表者

筑波大学テーラーメイドQOLプログラム開発研究センター
尹 之恩(ユン ジウン)研究員

株式会社ルネサンス 健康経営ソリューション部 ソリューション開発チーム
上田 哲也


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