医療・健康

免疫制御におけるアルギニンメチル化酵素の働きを表す「3層モデル」を提唱

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(Image by Corona Borealis Studio/Shutterstock)
 免疫制御において、タンパク質アルギニンメチル化酵素が働く仕組みを最新の知見に基づいて整理し、①タンパク質のメチル化、②メチル化タンパク質の分解で生じる遊離メチルアルギニン、③酵素活性に依存しないRNA・タンパク質結合機能、という「3層型プロテオスタシス」モデルを新たに提唱しました。

 免疫の働きは、遺伝子のオン・オフだけでなく、細胞内のタンパク質に加えられるさまざまな化学修飾によって調節されています。その一つが、タンパク質のアルギニン残基にメチル基を付加する「アルギニンメチル化」です。本研究では、PRMTと呼ばれる酵素群が、遺伝子発現、RNA代謝、免疫シグナル、がん免疫、加齢に伴う慢性炎症などに関わる仕組みを、最新の知見に基づいて整理しました。また、これらの仕組みを踏まえ、免疫疾患に対する治療介入の可能性についても考察しました。

 さらに、PRMTの働きを個々のタンパク質のメチル化だけで捉えるのではなく、第1層:ヒストンや非ヒストンタンパク質のメチル化、第2層:メチル化タンパク質の分解による遊離メチルアルギニン(単体のメチル化アルギニン分子)の生成、第3層:PRMTがメチル化酵素としての働きとは独立して、RNA・タンパク質と結合して生理作用を調節する機能、の3層からなる「3層型プロテオスタシス」モデルを提唱しました。この概念は、細胞内のタンパク質制御を、免疫・代謝・血管機能など全身の生理応答へつなげて理解する新たな枠組みとなります。

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プレスリリース

研究代表者

筑波大学生存ダイナミクス研究センター
深水 昭吉 特命教授

掲載論文

【題名】
Arginine methylation in immunoregulation: Mechanisms and therapeutic targeting
(免疫制御におけるアルギニンメチル化:作用機構と治療標的化)
【掲載誌】
Cell Chemical Biology
【DOI】
10.1016/j.chembiol.2026.09.003

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