テクノロジー・材料

ウイルスを利用した導電性高分子の合成に成功

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 ウィルスにはさまざまな形態があり、細菌に感染するウィルスの一種であるfdファージは液晶性をもっています。本研究では、これを化学反応場として用いて導電性高分子の合成に成功しました。


 得られた高分子はファージ液晶がもつネットワーク状の分岐構造とキラルならせん構造を転写しています。また、この高分子の磁気的性質を調べたところ、導電性高分子に典型的な性質は示さない一方、磁石に反発する反強磁性的な挙動を示しました。無機磁性体では、らせん磁性が反強磁性を示すことが報告されていますが、有機体に関する同様の報告例は本研究が初めてです。


 本研究成果は、ウイルスを鋳型として分子テンプレートを作成し、ウイルスを捕獲し閉じ込める機能をもつ高分子の作成などへの応用が期待されます。


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プレスリリース

研究代表者

筑波大学大学院数理物質系
後藤 博正 准教授

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