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財団法人日本英語検定協会第31回(2018年)英検研究助成研究部門入選
人文社会科学研究科 川島 葉月

学生・大学院生

川島葉月さん(人文社会科学研究科博士前期課程2年,指導教員:人文社会系 卯城祐司教授)が財団法人日本英語検定協会第31回(2018年)英検研究助成研究部門に入選し,2018年(平成30年)7月14日,アルカディア市ヶ谷私学会館(東京都)において入選証書の贈呈を受けました。

この研究助成金制度は,実用英語の一層の普及・発展と英語能力検定試験の質的向上を目的に1987年に設けられました。英語技能テスト及び英語教育に関する研究企画を広く募集し,優秀な企画に対して助成金を交付し,10ヶ月間の研究後,その結果を公表する制度です。この制度には,研究・実践・調査の3つの部門があり,川島氏が入選した「研究部門」は,英語能力の測定・評価に関し,その改善向上や英語教育に役立つものを要求する部門です。

今回助成の対象となったのは「Note-taking organizerを用いた読解測定法の提案ー読み手の心的表象に基づいてー」と題する研究です。本研究は,従来の読解力の測定が,訳読や多肢選択式等の測定方法により大きな影響を受けていることに目を向け,設問の影響を受けずに読み手の読解パフォーマンスを引き出す測定法を提案することを目的としています。Note-takingとは,聴く・読むなどの最中にメモをとることであり,情報の所蔵と暗号化に貢献するものです。これを図式化したものがNote-taking organizerです。読み手が作成するメモには,その読み手がテキストをどのように理解したかが現れます。本研究では,日本人英語学習者が英文読解中にどのようなNote-takingを行うか調査した後で,それを元にoraganizerを作成し,テストとして活用する方法を提案します。Note-takingは,学習者に馴染みのある行為であり,それを元にしたテストを作成することで,設問の影響を受けずに受験者の能力を引き出すテストを実施することができます。英語能力の試験方法について,様々な試行錯誤が行われている中で,新しい試験方法の提案として高く評価され,入選となりました。

2019年刊行の "STEP Bulletin" 第31号において,研究成果の詳細が掲載されます。

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