医療・健康

職場におけるいじめとメンタルヘルスの実態調査を実施

研究イメージ画像 (Image by Prostock-studio/Shutterstock)

 働く人のメンタルヘルス不調が大きな社会的問題となっています。特に、コロナ禍に伴うテレワークの拡大により、働く人を取り巻く環境が急速に変化する中で、インターネットを介した形態のいじめ(ネットいじめ)の増加が世界的に懸念されています。


 本研究チームは、職場におけるいじめの実態やメンタルヘルスへの影響を調査解析しました。正社員1,200名を対象としてウェブ調査を行い、全体の8.0%が週に1回以上の頻度で職場におけるネットいじめを受けていることを明らかにしました。また、年齢が若いこと、管理職であること、困難な業務に取り組んでいること、インターネットによる情報発信が活発であること、テレワークの頻度が多いことが、職場におけるネットいじめを受ける頻度の高さと統計的に有意に関連していることが示されました。さらに、従来からみられていたインターネットを介さない形態のいじめ(従来型いじめ)とネットいじめの両方を受けている場合、いずれのいじめも受けていない場合と比較して、心理的苦痛、不眠感、孤独感を示す指数が統計的に有意に高いことが分かりました。この結果は、年齢、性別、性格特性、業務上の負荷などの影響を考慮しても有意となりました。


 このような研究の積み重ねは、職場におけるいじめの予防や働く人のメンタルヘルスの向上に結びつくと期待されます。


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プレスリリース

研究代表者

筑波大学医学医療系
堀 大介 助教
池田 朝彦 助教

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