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ロシアを対象とした日本語・日本文化研修を実施

(筑波山神社を訪問)


12月6日~13日までの期間,大学の世界展開力強化事業(ロシア)「ロシア語圏諸国を対象とした産業界で活躍できるマルチリンガル人材育成プログラム(Ge-NIS)」が主催し,ロシアの諸大学を対象とした「日本語・日本文化研修」を実施しました。
本研修は,筑波大学と大学間交流協定を締結しているロシアの6大学,ならびに海外研修で本学学生を派遣するなどの協力関係にあるトゥヴァ共和国(ロシア連邦内)のトゥヴァ国立大学から,日本語教育・日本研究に関わる教員と日本学を専攻する学生を招聘し,日本語・日本文化コミュニケータとしてより高度な知識や技能を身につけることを目的として行われました。本研修には,次の7大学から計14名が参加しました(括弧内は都市名)。



参加大学

 

・モスクワ国立大学アジア・アフリカ諸国大学(モスクワ)
・モスクワ市立教育大学(モスクワ)
・サンクトペテルブルク国立大学(サンクトペテルブルク)
・カザン連邦大学(カザン)
・ノボシビルスク国立大学(ノボシビルスク)
・極東連邦大学(ウラジオストク)
・トゥヴァ国立大学(クィズィル)


本研修の中で,国際学術シンポジウム,学生ラウンドテーブル,日本文化研修,日本語教員研修など様々なプログラムが行われました。
まず,12月6日に実施されたシンポジウム「持続可能社会と日本語教育―長期的なビジョンに立った大学の日本語教育を考える―」(筑波大学CEGLOCとの共催,協力:国際交流基金, 筑波大学人文社会国際比較研究機構ほか)では,国際交流基金日本語国際センター専任講師の柴原智代氏による基調講演に続いて,各大学の日本語教師や日本研究者が,ロシアにおける日本語教育・日本研究の歴史や,自らの日本語教育経験に基づいた教授法などを報告し,活発に意見を交わしました。
12月7日には,研修参加者全員で国際交流基金日本語国際センター(さいたま市)を訪問し,同センターの活動についての説明を受けた後に,日本語教育の授業や付属図書室の見学も行いました。また,同日にキッコーマンもの知りしょうゆ館(千葉県野田市)も訪問し,日本の食文化や食品産業に対する造詣も深めました。このほか,12月9日には,筑波山神社を訪問しました。
学生対象の日本語研修としては,まず12月8日に,日本語教育を専門とする本学大学院生の井濃内歩氏,片山奈緒美氏(ともに人文社会科学研究科国際日本研究専攻)による特別授業を行いました。「ロシアのイメージについて」,「将来設計について」などのテーマを設定し,キャンパス内の学生に対して日本語でインタビューを行い,結果をまとめて発表するという実践的な内容で,本学学群生との協働の下に取り組みました。
また12月11日には,学生ラウンドテーブル「ビブリオバトル~fromロシア~」をGe-NISプログラム学生の企画・運営で実施し,ロシアと日本両国の学生が,自分の好きな本を日本語で互いにプレゼンテーションしあいました。会場の参加者からの投票を行い,最優秀賞の選出も行いました。 日本語教員研修については,小野正樹教授と伊藤秀明助教(ともに人文社会系)による研修指導のもと,日本語・日本事情遠隔教育拠点にて日本語の授業や日本語教育の授業見学を行い,日本語教授法に関する専門的な知識の習得に従事しました。
このほか,研修参加者は,日本文化研修として,折り紙体験や,本学書道部を講師とした書道・篆刻体験に取り組みました。また,12月12日には,森田光氏(株式会社ASISAI代表取締役)を講師に迎え,「日本語学習者の強みと仕事をどうつなぐか」と題するキャリアセミナーを実施し,習得した日本語をいかにして自身の卒業後のキャリアにつなげていくかについて学びました。
最終日の修了式では,参加者のスピーチが行われ,教員からは「国際交流基金日本語国際センターへの訪問や日本語教育の授業見学は,自身の大学で日本語教育を今後行っていくうえでとても有意義であった」「キャリアセミナーは今後の学生の進路指導の上で参考になった」といった感想が,学生からは「日本語研修でおこなった筑波大学生へのインタビューは緊張したが,聞き方の作法や日本語も指導してもらえて,とても勉強になった」「将来,筑波大学に留学してみたい」といった感想が寄せられました。


(シンポジウム)


(書道研修)


(日本語研修)


創基151年筑波大学開学50周年記念事業
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