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柳沢正史教授が2017年度朝日賞を受賞

筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構長の柳沢正史教授が2017年度朝日賞(朝日新聞文化財団主催)を受賞し,1月31日に東京都内にて授賞式が執り行われました。朝日賞は1929年の創設で,「学術,芸術などの分野で傑出した業績をあげ,日本の文化や社会の発展,向上に貢献した方々」に贈られます。柳沢教授の授賞理由は,「オレキシンの発見と睡眠・覚醒に関する研究」です。

柳沢教授の受賞式スピーチより

私の研究者としての姿勢は筑波大学大学院時代の恩師,真崎知生先生から最初に学びました。その真崎先生も1991年度に朝日賞を受賞しており,その賞を受賞できたことは二重の喜びです。私の座右の銘は「真実は仮説より奇なり」。オレキシン研究の展開がまさにその好例です。当初,まさかオレキシンが睡眠に関係しているとは思ってもいませんでした。科学の仮説とは,しょせん人間が小さな頭脳で考えたストーリーにすぎません。目の前のデータがすべてで,自分の仮説をその上に置くことは許されないことなのです。さらに,「良い問いを見出すことは,問いを解くことより難しい」ということも肝に銘じています。科学の価値は,「新しいことを知ることそのもの」にあります。科学とは,「役に立ってなんぼ」のものではありません。

睡眠研究では,良い問いを見出すことができたと思っています。「眠気」とは何か,「なぜ眠らなければならないか」という問いです。これまでの研究成果は,まだその出発点にすぎません。今後10年でさらに発展させられるよう頑張ります。


(授賞式の様子)


(受賞式スピーチ)
創基151年筑波大学開学50周年記念事業
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