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令和3年4月から総合学域群での学生の受入開始

筑波大学は、国が進める高校教育、大学教育、それをつなぐ大学入試の一体的な改革(高大接続改革)に呼応して、新たな教育と入試のシステムを構築しています。

筑波大学は開学以来、多様な分野を見渡す力と確かな専門的知識に基づく学際的研究・教育を先導する人材の育成を行ってきましたが、令和元年度(2019年度)からは新たなリベラルアーツ教育である「総合智教育」を実施しています。総合智教育は、深い専門性と幅広い知識の両方をともに学ぶことを理念としています。ここでは、すべての1年生が「専門導入科目」として自分の専門としたい分野に関する知識や技能のほか、俯瞰的、複合的な視点から様々な専門分野の基礎を学びます。


一方、入試においては、令和3年度(2021年度)入試から一般選抜の前期日程に「総合選抜」を導入します。これまでの筑波大学の入試は出願時に学類・専門学群を決める方式でしたが、令和3年度入試から前期日程の募集人員のうち約3割を、総合選抜として実施します。総合選抜では、「文系」「理系Ⅰ」「理系Ⅱ」「理系Ⅲ」という、学群・学類よりも幅広い区分で選抜します。理系のうち、物理学の素養を必須とするのが理系Ⅰ、特定の分野にとらわれないのが理系Ⅱ、数学に重点を置くのが理系Ⅲです。令和2年11月、筑波大学ホームページにて募集要項を公開しました。

総合選抜による入学者は、2年次に学類や専門学群に移行するまでの間、「総合学域群」に所属します。総合学域群の学生は、総合科目、外国語、情報などの共通科目と、学類・専門学群が開設する専門導入科目を中心に履修します。新たな総合智教育において、筑波大学のすべての学生は、文系、理系にとらわれずじっくり学んだ後に自らの専門に進む仕組みになっていますが、その理念を特に具体化したのが総合学域群です。


総合学域群の学生が全学共通の必修科目以外で具体的にどの科目を履修するかは、学生本人の関心や、どの学類・専門学群を2年次以降の移行志望先とするかにより大きく異なります。各学問分野の入門的な科目となっている専門導入科目は、移行志望先を決めるのに重要な役割を果たします。


1年次の3月に、2年次以降に所属する学類・専門学群が決まります。移行先は、学生が設定する志望順位と、学類・専門学群ごとに設定される受入順位の組み合わせによって決定されます。文系、理系といった入試の際の選抜区分に関わらず、総合学域群からは、体育専門学群を除くどの学類・専門学群にも移行する道があります。文系から理系へ、理系から文系へ、理系のある分野から別の分野へ、というように、筑波大学では、入試の選抜区分に縛られず進路を選択することが可能です。


学生が志望できる学類・専門学群の数には制限がありませんが、志望先によって指定科目の履修が必要となる場合があります。各学類・専門学群の受入順位は、各学生が履修した科目の成績を総合した成績点と、英語外部試験や適性試験といった成績点以外の要素も加味して決定されます。また、特定の選抜区分で入学した学生を優先して受け入れる学類もあります。


総合学域群には、選抜区分に対応した3つの類(第1類、第2類、第3類)があり、総合選抜により入学した学生は、いずれかの類に所属します。総合学域群の学生は、クラス担任教員による学生生活面の支援だけでなく、アカデミックサポートセンターによる修学支援を受けられます。アカデミックサポートセンターでは、各学類・専門学群から1人ずつ選出されているアカデミックアドバイザーの教員をはじめとする教職員が、学生一人ひとりの履修計画や進路選択をサポートします。総合学域群は、修学支援を行うことを通じて、学生が幅広い学問分野から自らの専門分野を選択するとともに、キャリアを主体的に切り拓く力の涵養に資することを教育上の目的としています。