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令和2年度オンラインSDセミナー「日本におけるネパール人留学生増加の背景とその要因」を開催

3月26日、グローバル・コモンズ機構は、令和2年度オンラインSDセミナーとして、「日本におけるネパール人留学生増加の背景とその要因~ネパールと日本をつなぐ協働関係に注目して~」を開催しました。

本セミナーは、国際性の日常化を目指す筑波大学の様々な職員研修の一環として行われたもので、講師は人文社会系准教授でグローバル・コモンズ機構国際交流支援部門の鈴木伸隆氏でした。

鈴木氏は、東日本大震災以降、中国や韓国などの漢字圏からの留学生が減少し、ネパールからの留学生が増えた現状を報告し、現地ネパールで実施した調査をもとに、日本語学校が現地エージェントと協働関係を結んで、新たな留学生の獲得を行っている実情を明らかにしました。この中で鈴木氏は、留学生達が、日本でのアルバイトを前提として、ネパールの1人当たり国民所得の約10倍にあたる約100万円の借金を背負って来日していること、それが日本経済の底辺を支える労働力となっていることなど解説しました。日本での永住希望が多いものの、専門性や語学力から正規の雇用を見つけることは困難で、結果として留学ビザの延長を繰り返して日本に滞在せざるを得ない現状にも言及しました。

これを受けた質疑応答では、「なぜネパールで他の国でなかったのか」、「授業料として必要な100万円は、国内でどのように調達しているのか」、「彼らが日本に引き寄せる文化的要因が日本にあるのか?」等の質問が相次ぎました。

Zoomを使って行われた本セミナーには30名の参加があり盛況でした。

鈴木氏の写真
創基151年筑波大学開学50周年記念事業
創基151年筑波大学開学50周年記念事業