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ASEAN-日本 友好協力50年記念 特別イベント開催-筑波会議3日目
世界の研究者が、つくばに集まり熱い議論を繰り広げる「筑波会議」。最終日の9月28日には、ASEANと日本の友好協力50年を記念した特別イベントが開かれました。
第一部「次世代の持続可能な開発のための革新的な教育活動:SEAMEO域内と日本におけるベストプラクティスの共有」(共催:東南アジア教育大臣機構(SEAMEO))では、当該地域からの若い学生が集まり、東南アジア諸国と日本の初等・中等教育における革新的な取り組みの成功事例をもとに、新世代の課題への対応について思索を深めました。
第二部「日本&ASEAN、激変の世界にどう対処できるのか」(共催:政策研究大学院大学(GRIPS))では、GRIPSシニア・フェローの飯村 豊 氏によるメッセージに始まり、1時間半に及ぶ議論となりました。飯村氏は、駐インドネシア日本大使や駐フランス日本大使を歴任。長い外交官経験から、ウクライナ情勢を含む国際情勢に対する現状認識について語りました。
そして、GRIPSと提携関係のあるインドネシア外交政策コミュニティ(FPCI)の創設者で会長であるDino Patti Djalal氏(元駐アメリカ・インドネシア大使)による基調講演へと続きました。氏は、「いわゆる"グローバルサウス"は、いまの世界秩序は、現状を反映していないと考えていて、新たな世界秩序が必要である。ウクライナ情勢の変化などによって、ASEANは国際社会での立ち位置や行動原則に立ち返り、創造的同盟(creative alignment)を模索している。対日関係においては、戦後日本のインフラ充実に向けた一貫した経済援助と非軍事的な外交に絶大な信頼(trust)を寄せるに至った。今後も、国民と国民(people to people)の関係を通して日本との協力関係を一層深め、人材育成など地域の発展に資する活動を加速すべきだ。それが、Next 50年のリーダーを生むことに繋がり、より良い地域秩序そして国際秩序を生むことに繋がる。」と述べました。
その後、ディノ・パティ氏を含む4名によるパネル・ディスカッションとなりました。シンガポールからYusof Ishak Instituteの Sharon Seah Li-Lian氏、神奈川大学の大場 三枝 教授、筑波大学の野村 名可男 准教授が登壇。
ロシアによるウクライナ侵攻という、第二次世界大戦後、前例のない事態を前に、日本とASEAN諸国がどのように協力して困難な情勢に対処していくのか、様々な角度から議論が繰り広げられました。