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コロナ禍で失われた入学式を先輩へ 在校生らが感謝を込め

2020年度筑波大学入学式
(挨拶を行う全代会議長 林 凜太郎さんとスライド上映)

4年前の4月5日に行われるはずだった2020年度入学式。コロナ禍で中止になった入学式を取り戻そうと後輩たちが立ち上がりました。その入学式は3月13日、永田学長ら執行部も出席して大学会館講堂で挙行されました。

この式典は、在校生を代表する学生団体「全代会(全学学類・専門学群・総合学域群代表者会議)」が主催。そのほかTHKや管弦楽団、書道部など様々な組織が協力し、新型コロナウイルスの感染拡大により入学式や新入生向けの諸行事を経験できなかった2020年度(令和2年度)入学の先輩への感謝の意を示すために企画されました。在校生たちの心温まる発案に大学も全面協力。この春卒業する4年生や既に修了した大学院生を含む264人が出席しました。

4年越しの入学式では本来の入学式と同様、まず本学管弦楽団による奏楽「G.ヴェルディ歌劇『アイーダ』より凱旋行進曲」が披露され、改めて「新入生」を歓迎しました。

配布された記念品
(配布された記念品)
永田 恭介 学長による式辞
(永田 恭介 学長による式辞)

続く学長式辞の中で永田 恭介学長は

2019年の秋頃に始まった新型コロナウイルス感染症の大流行の結果、皆さんにとっての大切な節目の行事である「入学式」を開催することはできませんでした。皆さんの最初の年の大学生活は、とてつもなく予想外のものであったはずです。当たり前だった授業が受けられない、思い描いた学校生活や友人との日々が送れない、そんな制約の多い日々が続いた中で、皆さんは学ぶ努力をしてきました。
私が教員として感じた最大の悲しみは、キャンパスに、教室に、食堂に学生の姿が見られなくなってしまったことです。当たり前のことですが、大学には学生がいて、学生こそがキャンパスの主役なのであることを実感し、大学は、学びと生活を支えることが最優先であると再認識しました。
グローバル化した世界は激動しています。地球規模の課題が溢れ、将来の予測が困難な時代となりました。では、誰が次々と生まれる問題を解決していくのでしょうか?それは、皆さんです。皆さんのコロナ禍での4年間の歩みは無駄ではなく、学士としての力を備えているはずです。
本日、失われた「入学式」を取り戻し、人生になかったマイルストーンを打ちたてることで、先に進むためのけじめをつけることができるでしょう。あらためて、本学への入学、おめでとう。

と述べました。

また、全代会議長の林 凜太郎さん(理工学群 社会工学類3年次)は議長挨拶の中で次のように語りました。

2021年度に入学した私たちと違い、先輩方は同級生と顔を合わせる機会どころか移動自粛やオンライン授業を余儀なくされ、人とのつながりが完全に絶たれた1年目であったと思います。にもかかわらず、私たち後輩のために新歓活動を精力的に実施してくださり、そのおかげで私たちの大学生活は充実した始まりを迎えることができました。
先輩方のエネルギーのおかげで今年度には雙峰祭(学園祭)も完全復活を迎えることができました。そのエネルギーは、私たち後輩に大きな影響を与えました。一同、本当に感謝しています。
これから私たちはコロナ禍を乗り越え、さらには以前の活気を自身の力で取り戻すことができると信じております。
皆様の今後のご活躍をお祈りいたします。
ご入学おめでとうございます。

林さんのバックでは、閑散とした2020年春の風景、本来あるはずだった行事の写真がスライドで映し出されました。

全代会議長 林 凜太郎さんの挨拶
(全代会議長 林 凜太郎さんの挨拶)
管弦楽団による奏楽
(管弦楽団による奏楽辞)

続いて管弦楽団により奏楽「主よ、人の望みの喜びよ」が披露され、式の最後には参加者および執行部の全員で筑波大学のメッセージソング「IMAGINE THE FUTURE.~未来を想え」を合唱し締めくくられました。

IMAGINE THE FUTURE.の合唱
(IMAGINE THE FUTURE.の合唱)
IMAGINE THE FUTURE.の合唱
(IMAGINE THE FUTURE.の合唱)

待望の入学式に出席した学生たちは、

  • 僕らが入学して筑波大学に来た時には、もう桜もなくて誰も周りにいない、ほんとに閑散とした大学に来た記憶がとてもあるんですけど、今回こうやって後輩の方に入学式を企画してもらって、改めて筑波大学という場所に入学できたと思って、すごい感慨深い気持ちでいます。
  • こんな風に企画をしてくれて、私たちのことを思ってくれて、本当にいい後輩を持ったなという気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
  • 入学式を開いてくださってほんとにありがとうございます。楽しかったです。
  • やっと、真の筑波大生になれた気がします。
  • 多分こんな経験する世代は他にないだろうなと思ったら、特別な体験だったのかなって思い、すごくよかったです。
  • Thank you to all the organizers at the ceremony. It was very nice to have this ceremony held for us especially in the light of the coronavirus that swept through the world in 2020. Thank you very much for hosting this for us, and it was very cool.(特に2020年に世界を席巻したコロナウイルスのことを考えると、私たちのためにこのような式典を開いていただき、本当にありがとうございました。とてもよかったです。)
  • 僕らも諦めかけてたところがあるので、非常にありがたいなと思って今日楽しませていただきました。
  • IMAGINE THE FUTURE.を初めて歌ったので、感無量で嬉しいです。ありがとうございます。

と、口々に喜びと後輩たちへの感謝の言葉を述べていました。

「新入生」らは、2週間後の3月25日に卒業を迎えます。

参加した2020年度入学生
(参加した2020年度入学生)
参加した2020年度入学生
(参加した2020年度入学生)
参加した2020年度入学生
(参加した2020年度入学生)
創基151年筑波大学開学50周年記念事業
創基151年筑波大学開学50周年記念事業