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筑波大学と米ワシントン大学 AI分野におけるパートナーシップに合意
国立大学法人筑波大学(以下、筑波大学)は、米国ワシントン大学(ワシントン州シアトル)と人工知能(AI)分野における研究、人材育成、アントレプレナーシップ及び社会実装を目的としたパートナーシップに合意しました。4月9日、米国の首都ワシントンで合意が発表され、米国のNVIDIA社、Amazon社とともに両大学が調印式に臨みました。
パートナーシップの調印式は、岸田文雄首相の訪米の機会を捉えて、米国商務省で行われました。日本から盛山文部科学大臣、山田駐米大使、米国からはレモンド商務長官が立ち会いました(調印式は、現地時間4月9日午後3時、日本時間10日午前4時)。
筑波大学から永田恭介学長、ワシントン大学トリシア・セリオプロボスト、NVIDIA社のネッド・フィンクル副社長、Amazon社のデヴィッド・ザポルスキー上級副社長が調印式に臨みました。
永田学長は、この合意に際して次のようなコメントを発しました。
「AI技術は未来の社会を支える重要な技術の1つであり、その先端研究と人材育成は大きな課題です。日米では、半導体分野における研究レベルでの協力が進んでいます。半導体を素材としたリソースを用いる研究は、さらに重要です。その観点からAI分野のこのパートナーシップも、日米の協力を先導していく重要なものと考えています。これまで、本学は"Beyond the Borders"をスローガンに掲げ、分野横断的な研究ネットワークのもとでAIに関する基盤研究と応用研究を推進してきました。この度、AI分野のグローバル・パートナーシップを強化するLOIに署名できたことを大変光栄に思います。このパートナーシップにおける我々の協力が、世界が直面する多くの地球規模課題の解決のために重要な役割を果たしていくことを期待しています。」
また、研究を担当しています人工知能科学センター長の櫻井鉄也教授(システム情報系)も次のようなコメントを発しています。
「筑波大学人工知能科学センター(C-AIR)は、AIの先端的な研究を推進する拠点として基盤的な研究を進めるとともに、医療やヘルスケア、スポーツ、ものづくり、スマートシティなどのさまざまな分野での応用研究を進めてきました。AIは今後、暮らしや産業など社会の幅広い領域を支える技術となっていきます。多くの国立研究機関を有するつくばサイエンスシティに位置する筑波大学、ハイテク企業が集積するシアトルに位置するワシントン大学、パートナーシップに参画する企業が協力することで、日米の国際連携によるAIの研究が一層促進され、新たなイノベーションの創出も期待されます。このパートナーシップを通じて、社会実装につながる先進的なAI研究と世界をリードするグローバルAI人材の育成を推進していきます。」
ワシントン現地10日に行われる日米首脳会談で、AIに関する日米の大学と企業による新たな連携の枠組み(1億1,000万ドル=およそ165億円)として共同声明に盛り込まれる見込みです。今回の合意もその一つで、Amazon社が2,500万ドル(およそ37.5億円)、NVIDIA社が2,500万ドル(およそ37.5億円)の支援を表明しました。
本パートナーシップは、筑波大学とワシントン大学の数年に及ぶ協力関係から発展したものです。合意に際して、筑波大学として、支援を表明したAmazon社、NVIDIA社へ謝意を述べる次第です。と同時に、エマニュエル駐日米国大使の多大な尽力にも感謝の意を表明いたします。また、先端分野での日米協力が、日米関係の更なる発展に寄与することを期待します。