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掌の中の宇宙 ―『触覚芸術史の記憶』を明日の視覚特別支援学校に 盲学校が守ってきた作品群を未来に活かすプロジェクト始動

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現在、美術館などでの五感を使うワークショップは増加の傾向にあり、触覚を通した鑑賞の試みも少しずつ広がりをみせています。これまでは「手を触れないで」が当たり前だった美術作品との向き合い方は、現在進行形で変化している状況にあります。一方、盲学校・視覚特別支援学校ではそのような状況よりもずっと以前から「触れる」が身近にありました。筑波大学では、前身である東京教育大学の時代から、彫塑教室に学んだ多くの学生が盲学校・視覚特別支援学校の美術教育や鑑賞ワークショップに携わってきました。

中でも、美術家の西村 陽平(1973年、東京教育大学教育学部芸術学科卒)が千葉盲学校で指導にあたっていた頃の児童作品は、触覚芸術史に残すべき規模とエネルギーを有しています。西村が指導にあたった20年余りの期間に制作された200以上の作品の半数は愛知県陶磁資料館に収められましたが、今なお、約130点の作品が千葉盲学校内に保管されています。

そして、2025年夏、校舎の改修工事を機に、作品群を未来に活かすプロジェクトが立ち上げられました。本プロジェクトは、作品の「保護」「公開及び資料化」、次代に向けた活用として「全国の盲学校・視覚特別支援学校への作品寄贈」を行うもので、筑波大学彫塑教室が中核となり進めていきます。本学彫塑教室は、2023年から千葉県立美術館ですべての彫刻に触れることのできる展覧会「彫刻に触れるとき」を開催しており、これを礎として、関連展として本プロジェクトにおける作品群展示を企画していきます。

当時の子どもたちの生き生きとした手跡が残る作品群。この転機を乗り越え、「触覚芸術史の記憶」として残すべき作品群を守り、明日につなげるべくクラウドファンディングを実施します。皆様からのご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

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  • プロジェクト名:
    掌の中の宇宙 ―『触覚芸術史の記憶』を明日の視覚特別支援学校に
  • URL:https://readyfor.jp/projects/25B142
  • 目標金額:200万円
  • 募集期間:2025年7月31日(木)23時まで
  • 使用プラットフォーム:READYFOR 寄附型クラウドファンディング