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装着型サイボーグ「HAL-3」が国立科学博物館の「未来技術遺産」に登録 ~人の生体電位信号による運動機能改善装置(新医療機器)の実用に道を開いた資料として選定~
筑波大学発ベンチャーであるCYBERDYNE株式会社が所有する装着型サイボーグ「HAL-3」が、文化庁が所管する独立行政法人 国立科学博物館の令和8(2026)年度「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」に登録されることとなりましたので、お知らせいたします。
「HAL-3」(重要科学技術史資料 第00402号)は、「人の生体電位信号による運動機能改善装置の実用に道を開いた」資料として選定されました。
HAL-3は2001年に筑波大学サイバニクス研究室(CYBERDYNE株式会社創業者 山海 嘉之 ほか)により製作され、実験室モデルであるHAL-1、HAL-2を経て、制御用コンピュータなどをバックパックに収納し可搬可能としたモデルです。今回、微弱な生体電位信号を検出することで意図した動作を実現する「ロボットスーツ(装着型サイボーグ)」のシステム統合化第一号として、後継機による新概念の治療機器(新医療機器:医療用HAL下肢タイプ)の実用化に道を開いた装置であることなどが評価されました。
1991年のHAL®の基礎研究開発が開始された当初から医療分野への展開を目指していた中で、HAL-3は、『人』+『サイバー・フィジカル空間』を融合する「HCPS融合サイバニクスwithフィジカルAI」を先駆けて実現した機体です。装着型サイボーグによる「機能改善治療」という新概念を創出し、研究室内の実験機から医療健康イノベーション分野およびライフイノベーション分野での社会実装へとつながる重要なマイルストーンとなりました。
HAL-3は、CYBERDYNE株式会社が展開する「サイバニクス医療健康イノベーション」の代表的な成果の一つであり、新たな医療・健康産業の扉を開き、世界に先駆けて新産業の創出へ道を開いた歴史的な重要科学技術に位置づけられます。
平成20(2008)年度にこの登録制度が始まって以来、数多くの貴重な科学技術資料が選定されてきましたが、筑波大学が単独で関わる科学技術資料として登録されたのは、今回の令和8(2026)年度(第19回)が初の快挙ということになります。
◆ 登録にあたってのコメント(山海 嘉之 システム情報系教授、CYBERDYNE株式会社代表取締役社長/CEO)
この度、装着型サイボーグ「HAL-3」が国立科学博物館の重要科学技術史資料(未来技術遺産)に登録されることとなり、大変光栄であり、感無量です。HAL-3は、研究室の実験機から実用化へ向かう一歩となった機体であり、この一歩が後継機(新医療機器:医療用HAL下肢タイプ)による進行性の神経・筋疾患患者の機能改善を実現する新しい概念の医療機器へとつながりました。次世代に継承すべき「未来技術遺産」としてご評価いただいたことは、人や社会が直面する課題の解決に挑戦し続けてきた一人の科学者、教え子たち、そしてその実用化を達成した当社にとって非常に大きな励みとなります。
HAL-3は、人や社会に役立つロボットをつくりたいという少年時代からの思いが、ここ茨城・つくばで形作られ、世界で使われる医療機器へと結実した、その原点でもあります。現在は、つくばのCYBERDYNE STUDIOで公開しており、この機体を見た子どもたちや若い研究者が、次の未来を切り拓いてくれることを願っています。
現在、「HCPS融合サイバニクスwithフィジカルAI」を軸に、人と社会を支える新たな社会基盤を創出する第2ステージに入っています。HAL-3が切り拓いた道をさらに先に進め、研究開発から社会実装に至る好循環イノベーションを推進し、人とテクノロジーが共生する未来社会の実現に全力で取り組んでまいります。